フラノの日記その6

 どうも。マゾで拘束趣味の兄と、ホモでシスコンな上に口先だけ剣士の恋人を持つ、英雄フラノです。
 なんか急に名乗りが物々しくなってて驚いたかしら。
 ええと、ぶっちゃけると……世界を救っちゃいました。ひとまずの旅の目的は達成。
 でまあ、村に戻る選択肢もあったのだけど……結局HG剣士と二人旅に逆戻り。まあ、かつての仲間たちは猫屋敷で呼び出させてもらいますけどね。
 語るには本当にいろいろな事があったわ。
 折角だから、箇条書きにでもして振り返ってみようと思うの。興味在る人は付き合ってね。


 歴史区分その1


 ゴブゴブ団とエンシャントの酒場で接触
「我等ゴブゴブ団、幸せを手に入れるために日々邁進するゴブ!」
「店主よ、ここは食べ物も用意できるゴブか?」
 やだ……すごくカワイイわ。フェティが猛烈に悪趣味だと批判してたけど、カワイイものはカワイイんだから、仕方ないわよねえ。
 あんまりカワイイから穏便に話し掛けようとしたら、私の事、聖杯を狙う悪党だと勘違いしたみたい。すぐに逃げられちゃった。
 その後も街道で何度も鉢合わせしたけど、完全にこっちを悪党だと思ってるみたいで、戦闘になっちゃうのよねえ。


 ゴブゴブ団のことが片付かないから、聖杯の件は手詰まり。
 かといって、生活の糧を得るためにも冒険者はやめられないのよね。
 なにげに4人の大所帯だから御仕事はきっちりこなすわ。
 ……ただし。私は一応元神官家のお嬢様だし、そこらのヤクザ冒険者みたいな手荒な真似は好かないの。すぐに月光を抜きたがるセラの馬鹿とは違うのよ。誤解でも、人様に後ろ指を指されるような仕事には手を出さないの。
 というわけで、清く正しく、配達や護衛業務だけで食いつなぐことにしたわ。腕を上げるには探索や魔物退治もしなくちゃ駄目だって聞いたけど、知ったことじゃないわね。オルファウスだって認めてるわ、これだって自由な旅の一つでしょ? 時々、山奥やら砂漠やらに探し物をしにいったり、行方不明の村人を助けたりとかしてるんだから十分じゃない。人助けって一番身になることよ?
 それなのに、セラの馬鹿が本当に馬鹿で嫌になるわ。


 探索の目的物を見つけたら「下らん使いだ。とっとと帰るぞ」
 たまに魔物を退治したら「フン、他愛もない。とっととry」


 黙れこのハードゲイ
 その下らん使いで宿代捻出してるのは私で、
 退治の敵を仕留めてるのはフェティだっての。お分かり?
 あぁ、ルルアンタちゃんは健気だから問題ないの。大事なのは態度よね。