最近読んだもの


 ネタバレありまくりですよ。気をつけてくださいね。
 (あとで自分が読むとき面倒だから反転はしません)
 リンクはるのカッタルイのでサクサクっと。


浅見光彦シリーズ
浅見光彦殺人事件」
 高評価+珍作と名高いブツです。本体に「シリーズ3作以上読んでない人は読んじゃ駄目」って注意書きがされています。さて、この注意書きの意図なんですけど、どうなんでしょうねえ。浅見のキャラに思い入れがないとつまらないってのは大前提として……「浅見を知っている人ならすぐにトリックに気づく」からなのか、それとも「浅見を知っている人ならどんでん返しを楽しめる」からなのか。さて、シリーズ3作だけで読破に踏み切った私はというと、前者のほうでした。かといってGOTHみたいに序盤で萎え〜になることもなく。孤軍奮闘する浅見の姿に笑わせて頂きましたw GOTH直後に読んでなかったら騙されてたんだろうか。でも浅見の今までのキャラをよーく知ってれば、ねえ?(笑 あ、不満があるとすればヒロインがあまり好みじゃないことでしょうか(爆
 浅見萌え箇所浅見光彦は女性の扱いが下手すぎるということです。

「遺骨」
 凄い面白かった! テーマが大きすぎたり重過ぎたりで「いいのかぁ?」とか思ってしまったけど、それゆえに浅見光彦という人間の思想が良く現れていたし、浅見家で語られた「脳死」に関する家族の思いは、とても胸に染みました。家族の絆や生命の尊厳といった重厚なテーマを、真っ向から描いています。そういったのとは別に、話の本筋である謎を追いかけていく過程や、浅見とヒロインの関係も、とてもスリリングでした。遺骨に始まり遺骨に終わる構成もすばらしい。導入からぐいぐいひきつける力強さのある展開で、読み終わったときはしばらくじーんとしていましたねえ……
 浅見萌え箇所:事件の手がかりがあると確信しても、旅費が無くて調査にいけない浅見。切実さがハゲワロスwww あと、脳死に関して家族と語る所は普通にホロリ。


「平家伝説殺人事件」
 ごめんなさい、これ、別の意味で一番好きかも(笑 なんといっても佐和たんハァハァ(;´Д`) というか佐和たんにハァハァしてる心底どーしょもない浅見ハァハァ。ヒロインの佐和がなんじゃこりゃ!って叫びたくなるくらい恥ずかしい設定(平家の落人集落に住まう野性的な少女。カモシカのような溌剌さがあり、尚且つ超絶美形。未来をなんとなく察知する霊感持ち。荒削りな魅力があるかと思いきや、平家一門の末裔らしく生まれついての気品を兼ね備えている)でして、そんな彼女にサクっと一目ぼれしてしまう浅見。「一つ屋根の下にいると、彼女の息遣いまで聞こえてきそうで眠れない」とか「佐和と結婚するとしても、それは宿命付けられていたことの様に思える」とか妄言大炸裂。ちょwwww浅見wwwwあんた突っ走りすぎwwwそんなんだからドーtryとか言われるんですよ。
 でもまー、他の作品で見ることの出来ないくらいラブラブな佐和たんですが、これはあくまで「この話で最終回にする予定だった」時の作品なので、永遠の33歳が約束されちゃった浅見は現在佐和たんのことを忘れてしまってるみたいですw(100作もあればねぇ……
 浅見萌え箇所:おいおい14も年の離れた娘だぜ(by浅見

「薔薇の殺人」
 すげータイトルだなとか思ったら、宝塚ネタの話でした。作者ご本人は実際の舞台を見たことが無く、多忙が理由で取材も別の方に依頼したそうですが、それでも臨場感ある背景設定になっております。ちなみに浅見シリーズは「犯人が自殺すること」で有名らしいのですが、私は選択しているのが悪いのか滅多に遭遇しませんね。この薔薇の殺人でようやく2度目になりました。ミステリとしてはあんまり好みじゃないかなぁ。動機とかオチとか……とにかく「好み」とは外れてました。浅見シリーズは捜査の過程を楽しむものと思ってますから、面白かったですけどね(笑 あと、この作品の見どころは前半の浅見家な生活だと思います♪
 浅見萌え箇所:冒頭からダメ人間っぷりを遺憾なく発揮する浅見。それをはるかに上回るダメ親戚の来訪。そしてダメ人間同士火花を散らす目くそ鼻くそ展開。ぬるぽ


 浅見かわいいよ浅見。メルカトル鮎とか御手洗潔とかキジルシ探偵しか見たこと無かった私には、浅見のキャラがとても新鮮です。天才肌・美形・女性が苦手・浮世離れ……これ、ヒジョーにスタンダードな天才系探偵の要素で、浅見も多く該当してます。でも、私が浅見に惚れてるのは根っこがホットなところですねえ。アットホームで、人としての倫理に迷ったりして、私怨から怒りを覚えることもあれば、女性におだてられてイイ気になったりする。で、適度にダメ人間w 天才探偵にありがちなトゲトゲしさがなく、ひじょーに柔らかくてさわやかです。最初入ったのがイーハトーヴだったんでそんなにのめり込んでなかったのですけど、浅見視点の作品を読んだらめちゃくちゃはまりました(笑 癒し系なんだと思います。
 さて、順調にアサミストになりつつあるめげさん。現在はシリーズ最高傑作と名高い「箱庭」に着手中♪


コンシェルジュ
 バンチに連載中のホテルマン漫画。とても堅実かつエンタメ性もばっちりな作品です。本誌を追うだけでも面白いのですけど、単行本は書き下ろし4コマがたくさん収録されているのでマジオススメ!(ちゃんと面白いですしっ) この作品はキャラの描写が丁寧で大変好感が持てます。主人公二人以外はともすれば嫌味か薄っぺらになりやすい設定なんですよ。「嫌味上司」「わがまま女優」「超クール」「筋肉バカ」って。でも、全キャラクターが等しく愛せてしまう。絵も読みやすいし表情豊かでいいですね。女性がむっちり&野郎が首太いのが好感(゜∀゜) 9月発売の4巻は水無月さん登場が収録なので、今から待ち遠しいです。


テレプシコーラ
 最新刊を入手。この作品についてはどう語っていいか分かりません。とにかく読んで驚けとしか……。題材がバレエ、しかも絵柄がかなりアレなので見る人を選びますが、漫画観が確実に広くなる逸品です。というか少女漫画の底力なんだよねえ、ほんとはこの手のって。武器は方法論を凌駕した圧倒的な表現力。今はどうか知りませんが、昔の少女漫画は空恐ろしくすらあるものだったのです。テレプシコーラは真っ向から少女漫画のポテンシャルに挑む作品です。少女漫画って絵柄じゃないけどねぇw