読み終わったよ

 GOTH―リストカット事件を読み終わりましたよ。
 宣言しておいたので、書きますよ。
 とりあえずラブコメラノベ決定。ミステリぢゃないですね。
 何度も言いますが、けなしているワケではないです。


 以下の感想はネタバレ含みますのでご注意ください。


 「声」の感想。
 えーと。序盤読み進めるのがめっちゃ苦痛でした。面白い面白くない以前に、前5話の影響で完全に私の脳みそは「ニセモノ探し」モードになっていたためです。この本、収録全6話のうち5話がほぼまったく同じパターンの謎解き。犯人か被害者の誰かが別人であるという叙述トリック「のみ」がキモとなっています。それ以外に謎解き要素無し。
 つまり、出題パターンを読みきった後半になってくると、読み進める作業はもはやミステリの読み方でなく、暗号文を読み解くのと同じ状態。これではせっかくのきれいな文章が台無しになるので、いったん何も考えずに最後まで読みきって、確認は二週目に持ち込むのが上手な読み方かもしれません。
 ってか、筋自体が良い出来なだけに、謎解きがすっげー邪魔だとめげさんは感じてしまいます。小骨だらけの魚を食べているみたい。
 声の読み始めのめげ思考をトレースするとですね、


「なになに、姉が死んだ妹の視点か。森野とザップする可能性があるから、時系列に注意しないと。森野登場。この女は被害者にならない立ち居地らしいので、今回も話には関わらないだろ。物語法則万歳。妹に僕男が接触。あー、こいつぁ間違いなく本人じゃねえな。「僕」なら加害者以外に素で接触する事はないはず。百歩譲って「僕」だとしたら、姉を殺したってのは方便で、妹の反応みたいってのが動機だろうか。あ、なんか自分語り始めた。別人決定。あと登場人物は、この神山とかいう奴ね。いままでの物語法則通りなら、被害者以外の名前つきキャラは登場しない。ってことはこいつが「僕」か。いやー、まさか作品中に名前が出るなんて思わなかったよ。全然雰囲気チゲー。さすが「僕」だ。これで間違ってたら自分笑いものだなwwwww」


 はい! ぜんっぜん素直に話が読めません!
 まじで一本一本のエピソードは面白いんですよ。それを6本連続で読んじゃったばっかりにこんな事にorz
 「声」の萌え所は、ニセ僕と妹の心温まる(?)交流でしょうかね。だってニセ僕かわいいよニセ僕。今回のヒロインはニセ僕で、ヒーローは妹ですね。ファミレスでの会話は「僕」の独白を10倍くらい回りくどくしてるので、妹が思うほど神的人物には見えません。でも純粋な萌えっ子であることは否定しない! 「僕」は根っから歪んでますが、こっちはすくすく育ったシリアルキラーっぽくてかわいいです。クライマックスの抱擁とか、本人の心情全然分からないけど超かわいいしNE!
 森野? ああ、いたね。すっかり正当派ツンデレヒロインになったのが。いや、「記憶」よりはずっと受け入れてますよ。悲劇分を「記憶」以降ひきずってないのがいいです。はっきり真人間であると描写されたのもポイント高い。ぶっちゃけ「記憶」後の森野に神聖性なんて欠片もありませんし、このまま「事件にニアミスするけど関わってくれない寸止めサイコ風味ツンデレヒロイン@天然」を貫いてくれることを祈ります。
 「僕」は──「リストカット事件」以降ショボくなってた超人属性を、ここにきて盛り返したって感じ。それでいてしっかり森野とフラグたててくれるのもプレイヤー=読者的に楽しいです。
 あ、私は「僕」はギャルゲ主人公だと思います。なぜなら「僕」がヒロインとくっつくことを期待しているのでなく、「僕」は森野イベントをひっぱりだすためのデバイスだからです。「僕」の行動って、いかにも「攻略してる」って感じですしねー。パッと見普通に見えて動機が歪んでるのが「僕」視点の醍醐味ですけど、攻略中の動機付けみたいで笑えます。


 ええと、面白かったです。GOTH。貸してくれたGAU氏に感謝。


 でも妹キャラはイラネ(゜⊿゜)