アクトのようでアクトでないもの。

 ぷれさんがN◎VAのルールブックを購入したものの、「どこから読んでいいかわからなーい」とかおほざきになられたので、導入セッション(シナリオなんて見えやしねー、アドリブだけですよ、ええ)もどきを行いました。以下はそのログ。これもそのうち削除。

注意:つっこまれました!
   アサクサってそういえばイエローエリアだったんですね!
   ……ルルブ買ってきた当日から読み間違えてたみたーいorz
   あとで設定すり合わせるから、下はそのまま読んで置いてくださいw

ようこそ!災厄の街トーキョーN◎VAへ! 
というわけで、君は気がつくと、スラム街の一角でごみにまみれて倒れていた。頭が酷く痛む。雨が容赦なく降り注ぐ。 
何かを思い出そうとすると、ノイズのように頭痛が襲い掛かる。 
ここはどこだ、自分は何者なのか、何もわからない── 
そんな君を見おろす一つの人影があった。 

見下ろす人影:「──IDは登録されていないようだな、Xランク市民か」

???:その人影に首を振りつつ自分の顔を右手で覆う 

右手を顔に近づけると、雨とは別のもので顔面が汚れるのが分かる。血だ。思い出したように体中に痛みが襲う。

???:「うがぁうっ!!」身体をビクンビクンと痙攣させた後逃げるように地面を這う 

人影は静かに歩み寄り、君の顔が見える位置でしゃがみ込んだ。黒いマントを着込んだ、黒髪の男だ。

黒マント:「──それは放って置いて良い怪我ではない。私は近くで診療所を開いている者だ。治療を、望むかね?」 
黒マント:「未登録市民なのだろう? まともな医療機関は君を相手にはしない」
黒マント:「それに、このレッドエリアでその風体では、食い物にされるだけだ」 

???:「し、死にたく・・・・・・ない・・・・・・死にたくない死にたくない!くぅ・・・・・・」
    痛みをこらえながらうわごとのように答える 

黒マント:「……わかった。君は死なない、私が助ける」「目を閉じたまえ」

男は注射器を取り出すと、それを君に打ち込んだ。君の意識は闇に堕ちていく。 

???:では玉の様な汗を浮かべた表情はふっと柔らかくなるとそのまま瞳を閉じて気絶する





──光を感じた。目を開けると、照明のある天井が見えた。消毒薬の匂いが微かに鼻をつく。
君はこの感覚に覚えがあった。おそらく今君は、病院の寝台に横たわっている。 
身体のあちこちにはすでに治療を施された痕跡がある。 
包帯が、痛々しい。君は現状を把握することは出来たが、依然として記憶は戻らない。 

???:ゆっくりと起き上がって体のあちこちをチェックする、と。ついでに何か武器になりそうなものを探してみる 

寝台の脇に設置された籠に、君の身につけていたものが無造作に放り込まれている。 
ドアが開いた。

黒マント:「──麻酔の効果時間はまだ残っていたはずだが……早いお目覚めだな」

???:両手を軽く挙げながらやれやれといった表情で答える「もうすこし寝たふりでもすべきだったよ」 

黒マント:「せっかく閉じた腹が開くような目に遭いたくなければ、確かに安静にするべきだな
      ──だが、意識ははっきりしたようじゃないか」 
黒マント:「私は、この筵医院の院長を務めている者だ。
      装備を改めさせてもらったが、未登録市民な上に物騒なものを持ち歩いているようだな」 

???:「そのときには医療ミスで訴えてやるさ」皮肉を放ちながらふと笑みを浮かべてみせて
???:「ここでは精神科はやってるか? 妙に思われるかもしれんが記憶が全く無いんでね・・・・・・」

黒マント:「訴えようにも、私は無認可でね」

いちいち無愛想な男だが、どうやら地であるようだ。敵意のようなものは感じられない。

黒マント:「カウンセリングは不得手だが、知識としては身につけている。
      意識不明になったショックで記憶があやふやに成るのはよくあることだ、気になるのなら問診を行おう」

そういって医者は、いくつもあなたに質問を投げかける。
名前は?年齢は?どこに住んでいるのか?……そういったヤリトリを繰り返し、繰り返し。 

???:大人しく問診を受けている。

黒マント:「ふむ──確かに君の言う通り、大部分の記憶に欠落があるようだ」
黒マント:「知識は大分失われているが、どうやら身体に染み付いた習慣などはしっかりと残っているみたいだな。
      日常生活に復帰する分には、そう苦労しないで済むだろう」 

???:「要するに馬鹿にはなって無いって事だろう?ミスターブラックジャック。まぁいいさ・・・・・・」
    自分が持っていた荷物に手を伸ばします 

黒マント:「君がそれだけ、社会に依る事無く身一つで生きてきたということだろうな」

君が荷物を取り上げたのを見止めると、方眉を吊り上げ

黒マント:「……どうするつもりだ?」 

???:「身体に問いかけるのさ。どのみち手がかりはコレしかないんだろう?
     怖ければ銃を向けていればいい。どうせ一度は失った命だ」
     何を持っていたか確認する。

手荷物からは使い込まれた銃器類が見つかる(カブトワリのペルソナパック相当)
 
黒マント:「恐れ知らずは記憶がないからか、生来のものなのかは知らないが──
      このトーキョーN◎VAは社会的つながりを持たないものは存在しないも同然だ」 
黒マント:「医者として、今のまま表に出すわけにはいかないな」 

???:「存在しない?それはいいな・・・・・・なら俺の名前は『No Existence』 N/Eだ。いい名付け親になれるぜ?」
    荷物を手に取りゆっくりと立ち上がる。

黒マント:「たった今社会的つながりが出来たのを忘れられても困る」

医者が軽く君の腰を叩くと、痛み止めが途端に切れ、縫合した部位が激しく痛み出す。

黒マント:「君の治療にかかったのは11シルバーだ。これを返してもらわない内に勝手に野垂れ死なれては困るのでな。
      ……リハビリと借金返済をかねて、私の仕事を手伝ってもらおう」 

痛み止めのアンプルをちらつかせ、告げる。

黒マント:「N/E、まずはこいつが必要だろう?」

N/E:「いい性格だ・・・・・・何だって構わないさ。アンタのケツにキスしろといわれない限りはな」
    痛みにこらえながら苦笑を浮かべて見せます。

黒マント:「そんな一銭の得にもならない無茶は言わんよ」

カルテを取り出し、無記述だった名前の欄に、N/Eと綴る。
特に出し渋ることもなく、速やかに痛み止めを君に処方すると、寝台に座るように仕向ける。 

N/E:ゆっくりと寝台に寝転ぶと天井を見上げながらぽつりと呟く
    「見知らぬ天井、か・・・・・・」そして瞳を瞑ったまま相手の話に集中する 

黒マント:「いい子だ。──外で生きていくためには、外の事を知る必要がある。これは君の論理から外れてはいないだろう」 

N/E:「下らない挑発している間にとっとと言えよ。仕事の内容を・・・・・・患者に悪いと思わないのか? 無免許医師」 

黒マント:「挑発したつもりはないのだが」

淡々と応対する。悪気はないのだろうが、対人に難があるのは確かだ。

黒マント:「ここはトーキョーN◎VA。災厄と歓喜の都市」

DAKを起動すると、モニターに天気予報番組が映し出される。

黒マント:「今写っているのがN◎VAの全景だ。干上がった東京湾に作り上げられた日本の出島。金で変えるもの全てが揃う街」 
黒マント:「都市の人間は全てIDで管理されている。ランクごとに出入りできるエリアが制限され、サービスも異なる」 
黒マント:「君はそのなかの最下層よりもさらに下、未登録市民というわけだ」 
黒マント:「そしてここはレッドエリア、Xランクだろうが外国人だろうが、
      何者がうろついても誰もとがめやしない地区。
      私はそこで、君達みたいに脛に傷あるものを相手にする医師というわけさ」
 
黒マント:「私の仕事はレッドエリアの荒くれを相手に医療を営むこと。
      君には用心棒から雑用までこなしてもらおうか──とりあえず、不安に思うことや、聞きたいことはあるかな?」 

N/E:「好きに使ってくれブラックジャック。とりあえず取りたてて質問は無いさ。
     どうせ『私は誰?』と聞いても答えられるわけでもあるまいに」 

黒マント:「ふむ──」(顎に手をあて思案する)
黒マント:「君の個人的事情は勿論与り知らないが、カブトワリ──殺し屋の類であったのではないかな」
黒マント:「何の後ろ盾もなく、そんな立派な獲物を手に入れられるほど甘い都市じゃない。
      フリーランスか組織に属しているかは分からないが、その武器の分だけ君の腕に価値はあったということだろう」 

立派な、と形容した獲物を見やり、

黒マント:「──レッドエリアにいる分にはいいが、官憲(イヌ)の前で振り回したり、
      イエローやグリーンに持ち込む際には注意したまえ」
 
N/E:「殺し屋・・・・・・カブトワリ、ね・・・・・・」確認するように呟いて「俺を拾ったのはどのエリアなんだ?」 

黒マント:「レッドはセキュリティのランクを表す用語で──君を拾ったのは、ここアサクサ。
      レッドエリアの下町、今は河渡連合というヤクザがはばをきかせている、N◎VAの中でも物騒な地域さ」 
黒マント:「北米連合からマフィアが兵隊を送り込んでいるせいで、最近はますます殺気立っている。
      よそ者が銃火器見せびらかしていたら、よけいな揉め事を引き起こすかもしれない」 

N/E:「まさにそれっぽい場所っていうことか。まったく物騒な話しだ。
     まぁいいさ・・・・・・どうせ俺も揉め事に首を突っ込むほど野暮じゃない」

黒マント:「正しい判断だ。最も──北米マフィア『カーライル・シンジケート』から送り込まれている兵隊は、
      いずれも凄腕の殺し屋だそうだ。君自身がそうである可能性を、否定できるかね?」 

N/E:「凄腕が半死にして記憶を失っているなんて間抜けな事はしないさ・・・・・・多分な」 

黒マント:「君が謙遜しても、喧嘩は売られるかも知れないな。夜道には気をつけたまえ」 

N/E:「せいぜい気をつけるさ。ところで聞いていなかったがあんたの名前は?いつまでもブラックジャックのままでいいのか?」 

黒マント:「ブラックジャック並に潤っているといいのだがね──診療所の名と同じ、ムシロだ」 
ムシロ:「さしあたっては、今日からの君の衣食住だな」 
ムシロ:「傷が塞がるまではここに置いてやってもかまわないが、いつまでもそういう訳には行かないだろう。
     大体看護士の服を君が好んで着てくれるとは思えん」 

N/E:「どうせ無免許なんだろう?服に今更こだわってどうする。とりあえず仕事はどこかで見つけてみるさ。
     『GIVE ME CHOCOLATOE』の看板でも持ってな」 

ムシロ:(肩をすくめて)「何度も言っているが、勝手に死なれて治療費をとりっぱぐれるのが一番困る」
ムシロ:「仕事は──君の腕次第では、私のコネを紹介してもいい」 

N/E:「なら出来るだけ早く工面して欲しいな。どんな仕事でも構わんさ。今は身体を動かしたくて仕方が無い」 

ムシロ:「そうだな──まずは私のところで見定めさせてもらおう。君にしてもらう仕事は、治療費の取立てだ」 
ムシロ:「毎回自分で出向いていては、外来に手が回らなくなるのでな」 

N/E:「OK。適当に取り立ててくるさ」 

RL:では今回は神業オンリーでアクトの真似事をしてみましょう。自己紹介お願いします。

N/E:『No Existence』──N/Eだ。
    スタイル構成はレッガー、カブトワリ、ハイランダー
    ペルソナはカブトワリ。
    身長185cm75kg レッドジャケットとジーパン姿。赤い髪を後ろで束ね無精ひげを携える25歳 

RL:了解。



■オープニング

ではN/E。
君がムシロ医院に来て三日たった。君の身体はありえない生命力を発揮し、身体を動かす差異の違和感はすっかり消えうせている。
ムシロが怪しげな薬やら針治療やらをほどこしたのと関係が有るんだろうか…… 

ムシロ:「骨も筋肉も神経も問題なくつながった。君自身は不調を感じるかね?」 

N/E:「肉体面では問題ない。あんたの怪しい治療で著しく精神に影響を及ぼした以外はな」 

ムシロ:「そうか。最初に言ったが、カウンセリングは不得手でな」 

そういって、ムシロは棚から二枚のカルテを取り出す 

ムシロ:「──君に治療費を取り立ててもらいたい患者について説明しよう」 

N/E:「あぁ。出来れば住所つきで教えてもらえるとありがたいね」 

ムシロはまずは白いカルテを差し出す。
小さな女の子の写真が貼り付けられたものだ。患者は心臓の手術をしたらしく、予後良好で、無事に退院したとある。 

N/E:「・・・・・・で、いくら脅して巻き上げるつもりなんだ?」多少呆れた表情でカルテを見下ろす 

ムシロ:「その娘は、先日亡くなった」 
ムシロ:「彼女、ターシャの治療に要した金額は21シルバー。
     ターシャは孤児で、勿論そんな財を持ち合わせてはいなかったが、
     将来医者になり自分と同じような者を救うのだと言っていたよ」 
ムシロ:「治療費の支払いは出世払いで、という約束だった」 

N/E:「下らない。死人に取り立てる金はないさ。生命保険でもかけとくべきだったな」ぽいとカルテを投げ捨ててベットに座り込む 

ムシロ:「代理人から、取り立てる」 

N/E:「代理人?」

ムシロが無言で黒いカルテを差し出す。カルテには名前も何も記されていない── 

ムシロ:「彼女は、君が此処に来る少し前に、ストリートで殺された」 
ムシロ:「犯人は分からない。Xランクのストリートキッズの生き死ににメディアは騒がないが、
     ここ最近、彼女と同じような子供がストリートで殺害される事件が多発している」 
ムシロ:「君に、ターシャの未来を奪ったそいつから、彼女が払うはずだった治療費を取り立てて貰いたい」 
ムシロ:「──相手に支払いの意思がない場合は、命で払ってもらう。そのカルテは、君が書き込むんだ」
 
N/E:「興味が沸いた。OKそいつで俺の治療費も払わせてもらうぜ」カルテを受け取ってゆっくりと出口に向かっていく



■リサーチシーン1 包囲網 (RLぎる)

ストリートのうらぶれた路地を通り、貴方は一人の老人に会う。
話によればこの老人が、この辺りの情報に詳しい情報屋とのことだが・・・・・・
 
情報屋:「うん? 見ねえ顔だな、オイ。 俺に何か用かい?」

N/E:「景気はどうだい?」気さくに声でもかける

情報屋:「はん、こんな所で景気はどうも無いやね。まあ、ぼちぼちって所だ」 にやりと笑って 「アンタはどうだい?」 

N/E:「最悪だ」それだけ告げると彼の前に金を差し出しつつ首をかしげる
    「ストリートの連続児童殺害事件で知りたい。売れるだけ売ってくれ」 

情報屋:「ほう、アンタ、あの事件を追っているのかい? 難儀なこったな」

カカカと笑って「良いだろう、俺に分かる事なら――」とまで言ったところで、
老人のポケットロンが鳴り響く。

N/E:肩をすくめてその場から立ち去ろう。無駄な情報は耳に入れない 

立ち去る貴方を見ながら、情報屋はポケットロンを繋げる。
そして何事か聞いた後――顔を青ざめさせて貴方を呼び止めた。

情報屋:「お、オイ、あんた、ちょっと待て!」 

N/E:「ん?どうでもいいが俺は高いぜ?」笑いながら振り返る 

情報屋:「アンタの言ってた連続児童殺害事件なんだが、――この映像、アンタだよな?」

そこには、ニュース形式で、君が調べていた殺害事件の容疑者が発表されている。
容疑者の映像は、――N/Eの姿だ。

#何者かから神業《制裁》が使用されました。《制裁》で与える社会ダメージは「21:抹殺」
#アクト終了時までにこれを無くさないと、貴方は社会の闇に葬られます。 

それと同時に、<デジャ・ビュ>が起こる。
N/Eはこれと同じような状況に追い込まれた記憶が蘇る。一瞬だけだが── 

N/E:《不可触》を使用。ただし効果はエンディングに持ち越す。
    「──人違いだ。第一情報を得る理由が無くなる」 

情報屋:「あ、ああ・・・・・・。そ、そうだよな、そう思っておく・・・・・・」情報屋は声が震えている。 
情報屋:「っと、俺から出せる情報は、この事件には無え・・・・・・な。
     一つだけ言えば、ブラックハウンドの連中がこの事件について嗅ぎ回っていたってことだけだ」 

N/E:「物分りがいいことは情報屋の必須条件だ。まぁいいさ。邪魔したな」
    そのまま不敵な笑みを浮かべて退場する



■リサーチシーン2 追跡者 (RLめげ)

N/Eは情報屋に別れを告げたあと、今後を思案しながら路地裏を歩いていた。 
すると、背後から複数の足音がついてきていることに気がつく。 

N/E:では適当なところで曲がる。 

足音も早足になってついてくる。君の後を追って、道を曲がる。

N/E:曲がったと同時にサブマシンガンを構えて不敵な笑み「GoodBye!」

角から現れたのは、ブラックハウンド制式制服に身を包んだイヌだ!
ムシロから聞くには、武器の携帯と使用を許可された、強権で捜査を遂行する警官らしい。
そんな彼らのうち、前を歩いていた数人が瞬く間に穴だらけになって倒れる。
残りの数人は角の壁に身を隠し、拳銃で応戦し始める。

イヌ達「チッ、クレイジーなヤツだ、相手を確認しないで撃ちやがった!」
イヌ達「『アッチ』を相手にするよりゃマシさ、持ち帰りは死体でかまわないといわれてる、とっとと終らせようぜ」 

N/E:「ストーカーに人権はないね!」口元に笑みを浮かべながら角からスナイパーライフルで一発2発と打ち抜いていこう 
     一匹だけ生け捕ればいい、後はやっちまおう。
 
さすが黄金の猟犬。向こうも容赦なく銃弾の雨を浴びせかけたが、
君を捕らえるにはあと1ダースくらい人員が必要だったみたいだ。
残った一人は、手の甲を打ち抜かれて武器を取り落とす。
 
イヌ:「クソッ、何が手負いのドブネズミだ!ピンピンしてるじゃないかっ……」 

N/E:「恨むなよ。しょせんこの世は殺るか殺られるかだ」肩をすくめながら近づいていく。
    そして凄みを利かせながら腹を踏み抜いて「さあ吐いてもらうか。なんで俺が連続児童殺人事件の犯人なのか」 

イヌ:「ま、まて! その物騒なものをどけてくれ!」 

N/E:「物騒?まったく人聞きの悪い奴等だ。とっとと話しちまったほうが身のためだぜ」
    イカサマで右手から銃を消して見せる。 
    ──勿論、でも左のポケットにピストルを忍ばせているが

イヌ:「ちくしょう……俺だって大したことは知らない。刑務所に拘置中だった犯人の一人が逃げたんだ。
    恐らくガキを殺して回っているのはそいつだろうが、上から圧力がかかって、大事に出来ないらしい。だから……」

イヌは、足元からN/Eを見上げて言った。

イヌ:「あんたをスケープゴートにしろって、『お上』から言われたのさ」
 
N/E:「スケープゴート?まぁいい順番だ。まずは犯人の情報。名前と特徴を教えてもらおうか」 

イヌ:「犯人……見た目に惑わされるな、あいつは……」

そこまで口にすると、パン、とコップの頭がはじけた。
後ろには上品なスーツに身を包んだ紳士が立っており、そのステッキの先が硝煙を上げている……

紳士「お喋りはよくないね。猟犬の質も落ちたものだ」

N/E:「ちぃっ!!」その場から飛びのいて廃ビルの窓へと飛び込みます 

彼の姿を見ると、頭痛が君を襲う。 

N/E:「くっ・・・・・!こんな時に!!」と頭を抱えながら銃口だけ窓から出してパラパラと
 
紳士「君がこうして追われるのは二度目なわけだが、存外にしぶといものだ──」
紳士「記憶だけでなく、命も奪われたくなかったら、大人しくお縄につきたまえ。
   存在しない子供の一人や二人殺した罪で、無期懲役とはいかないだろうさ」

《天罰》を使用。紳士が指をパチンとならすと、廃ビルに警官隊が突入する。
流石に数が多い、貴方はこの場から離れるしか無さそうだ。 

N/E:「絶対貴様にたどり着いてやる!くそったれが!」そういい残してその場を後にする。

紳士の爬虫類のような目が、君の姿を追い続ける。全てを失う前に味わったような感覚── 
背後から、届くはずのない声量で、つぶやきが聞こえた。「三度目がないことを祈るよ」



■リサーチシーン3 イヌが追うもの、イヌを駆るもの (RLめげ)

包囲網をくぐりぬけながら、N/Eは頭の中で今までの情報を整理していた。
「逃げ出した犯罪者」というのが連続殺人の真犯人なのは間違いないだろう。
ブラックハウンドはそいつを追っているが、公にしないよう圧力がかかっていた様だ。
自分に罪を着せるようにアドバイスしたのは、先ほどの紳士だろう。
失われた記憶が頭蓋内を揺さぶる。あの薄気味悪い瞳を見たのは、いつだ──

N/E:──いや、いい。ヤツのことは後回しにしよう。まずは真犯人の尻尾をつかむのが先だ……
    真犯人について情報を得ているのはハウンドの連中だが、俺はコネも電脳も当てにならない。
    『アッチ』に回ったとかいうイヌを捕まえて、実力行使で吐かせるしかないな。

それらしき警官に目星をつけるには、そう苦労しなかった。
今君の前には、捕らえたばかりのイヌが拘束されて横たわっている。

イヌ:「やめておけ、関わると禁固じゃすまないぞ」 
イヌ:「直に犯人は確保される。面識の無いガキのためにサツに喧嘩売る理由でもあるのか?」

N/E:「あいにくとすでにどっぷりとつかってる(肩をすくめながら顎に銃口を突き付けて)
     徹底的にやるのが主義らしくってな。それよりも質問に答えてもらおうか」

イヌ:「グッ……本気のようだな……どの道一旦捕まった以上、
    生きて帰ったところでただでは済まない、か。……何が聞きたい?」
 
N/E:「全て、だ。まず脱獄した殺人犯の名前と特徴。それに動機だ。何故脱獄した犯人が子供を殺す」

イヌ:「特徴、か……ククッ」 
イヌ:「犯人という言い方もおかしいな。ムショから逃げ出したホシは、とっくに死んでいる」 

N/E:「死んでいる? ならば誰が子供を殺しているんだ?」

イヌ:「……イワサキの生体兵器。“パラサイト”だ」

イワサキ──日本寄りの軍産企業の名前とムシロから聞いている。

N/E:「まさかガキを殺して兵器の性能を試そうと?ナンセンスだな」 
 
イヌ:「ガキはたまたまさ。元々今回逃げたホシは、無差別殺人のサイバーサイコとして逮捕されたんだ。
    だが、ヤツはとっくの昔にパラサイトに寄生されていたのさ。イワサキの実験の一環だったみたいだな。
    気づかなかった警官を何人もぶっ殺して逃げたが、ヤツの事が表ざたにならない様、圧力がかかってる。
    ──ヤツの厄介なところは、母体が持たなくなると新しい死体に入り込んで姿を変える事だ」 
イヌ:「パラサイトは元々、敵対する部隊に放り込んで内側から切り崩すための兵器だったらしい。
    今はストリートキッズの一人に入り込んでる──ガキばかり狙われるのは、そういうことだ」
 

N/E:「ヒュウ。なるほど。で、そのガキは今どこにいる?」 

イヌ:「ターシャって小娘だ。死体を収容しようとしたイワサキの工作員を全滅させて、今なお逃げおおせてる」 
イヌ:「そろそろ新しい母体をさがさなければならないはずだ。その前に確保せねば……」 

N/E:「ちっ、カルテの書き直しだな」苦笑しながら舌打する
    「ありがとよ。後は適当にやってやるさ」脳天をグリップでぶん殴って気絶させよう 

イヌ:「ぐはっ……」

イヌはそのまま倒れ伏した。 



■リサーチシーン4 ターシャの行方 (RLめげ)

ターシャの所在を知るため、同年代のストリートキッズに聞き込みをするが、
子供達は連続殺人事件におびえていて、口をつぐんでいる。

子供:「何だよ……まさかお前が犯人じゃないだろうな……?」

N/E:「さぁ?どうかな?」手の中から手品のようにチョコレートを取り出し手渡しする
    「ガキはチョコレートを貰って喜ぶぐらいが華だ。分かるな?大人の事情に突っ込んじゃいけないってことぐらい」 

子供:「……え?いまのどーやったの???」

子供達はイカサマに気づかず、興味を示している。
好奇心の前に、警戒心は消えうせたようだ。

子供:「……なんだ、凄い格好してるけど、にーちゃん芸人なの? いいぜ、何が聞きたいのさ」

N/E:「(ターシャについて説明し)その子供に会いたい。忘れ物を届けたいのさ」肩をすくめて見せる「どこにいる?」 

子供:「ターシャ、ぎりぎり助かったんだってな。
    ピンピンしてたからびっくりしたよ。でもまだ顔色悪そうにしてて、Dr.ムシロに見てもらうっていってたよ」 

N/E:その言葉と共に走り出す。 

子供:「あ、にいちゃん、チョコレートありがとなー! ターシャにもあげておくれよー!」 



■クライマックスシーン ムシロ医院 (RLめげ)

いつもどおり傾いた看板。並ぶ金の無さそうな連中。
表から見る限り、通常と変わりない様子だ。

N/E:裏口に回りこんで窓から中を覗き込む 

診療室の様子が伺える。机に向かってカルテに何かを書き込むムシロと、その背後で椅子に座っているのは……ターシャだ! 
ターシャはゆらりと立ち上がると、その片手を振り上げ……手の形が斧のような形状の刃物になる。 

N/E:そのまま窓から飛び込む。
 
驚いたようにムシロは立ち上がってそちらを向く。
ターシャは斧をしまい、おびえたようにムシロの背後に隠れる。

ムシロ:「……N/E? 一体なんのつもりかね?」 
ムシロ:「君に渡したカルテは書き直しになりそうだから、連絡を取ろうとしていたところだが……
     さすがに窓まで破れとは言っていない」 

N/E:「茶番は終わりだ。死人は大人しく死ぬもんだ・・・・・・ぜ!正体を現しな!!」《天罰》を使用。
    飛び込むと同時に宙に放り投げていたウォッカを打ち抜いてターシャに浴びせかけ、
    そのまま左手のジッポオイルで燃やし、正体を露わにさせる。
 
ターシャ「きゃああああああ、ムシロ先生、たすけてえええぇぇぇ…ぇ……ぇ……」

ターシャの身体は炎を上げ燃え上がる。
……そしてその頭蓋がチューリップの様に開くと、耐え切れなくなったかのように脳髄に良く似た生物が飛び出します。
神出鬼没》を使用。自身のダメージを宿主のターシャに移し変えます。ターシャの肉体は崩れ落ちる。 
そして飛び出した生物は《不可知》を使用。一瞬の隙をついて<スナッチ>……宿主をムシロに切り替える。
 
ムシロ:「くっ……!? これ……は……」

生物がムシロの頭部に張り付き触腕を延髄に差し込むと、その瞳から正気の光が消えうせる…… 

寄生生物:「……流石に死体でないと馴染みが悪いが……いまはコレで我慢するしかないようだね、N/E」 

目の前のムシロの形をした生き物が、ムシロの口調で話しかける。

N/E:「全く節操の無い寄生生物だ。投稿って言葉は知ってるか?」

寄生生物:「投降? そんなことをする必要があるとは思えないがね。この身体を撃つかね?
      さっきの娘と違い、これはまだ生きている」 
寄生生物:「君がこのまま私を見逃してくれれば、あとでこの身体はお返ししよう」 

N/E:「くっくっく・・・・・・はっはっは!笑わせてくれる虫風情が!
     今殺さないでやるのはムシロに義理立ててだ!
     この中で誰が一番安全な位置にいるか分かってないな!? この俺だぞ?
     つまりこの場にいる人間の生殺与奪は俺が決められるということだ!
     おっと・・・・・・人間じゃないな。生物だ。つまりお前とムシロを同時に殺すか殺さないかは俺次第という事だ。
     お前こそこの場から逃げる算段でもあるとでもいうのか? お前は判断を間違えたんだ。いや、相手をといったところかな?」
 
寄生生物:「……理解不能だ。人質が目に入らないというのか? 私だけを殺すというのなら、無理な相談だぞ?
      私が破壊されれば、この男の延髄も破壊される」
寄生生物:「それでも、私と戦うのか? 理解不能だ、理解不能だ! 排除しなければ!」

寄生生物は《突然変異》を使用する。コピー元は《天罰》を指定。効果は即死系神業として扱う。 
ムシロから離れると、N/Eを死体にして取り付こうと襲い掛かった!


N/E:「だから甘いというのだ!虫畜生が!」《とどめの一撃》使用。寄生生物と刺し違える。

パラサイトの触腕がN/Eの心臓を貫く。だが、絶命する前にN/Eは一発の弾丸を撃ちはなった。
宿主にたどり着けなかった生物は、脆くもはじけとぶ。

──しばし呆然としていたムシロが、血を流して横たわる君の元へ駆け寄る。 

ムシロ:「馬鹿な、何故有無を言わさず撃たなかった?」 
 
N/E:「・・・・・・・おしゃべりが好きだったから、さ・・・・・・なぁに。どうせ捨てた命だ」
 
ムシロ:「……ナンセンスだ。それに捨てた命だと? 拾ったのは私だ、お前の命はもうお前の好きにはさせない」 
ムシロ:「ここを何処だと思っている、私の医院内で死体を出したことは一度もないんだ、よく覚えて置け!」《タイムリー!》 
 
薄れ行く意識の中で、ムシロの怒号が聞こえた。 
そのまま、ブラックアウト。



■エンディング

そして目を覚ますと貴方はあの世に──

でなくて、見慣れた照明が天井に備え付けられている。
なんてこった、天国にはいけないと思っていたが、地獄でないのも間違いない。
 
N/E:「見知らぬ天井、か・・・・・・・」
 
ムシロ:「全く、大した生命力だよ」

N/E:「自分でもびっくりだ。全く。それにしてもアンタは名医だな」
 
ムシロ:「死ぬなら、治療費を払って、表に出てからにしてくれ。無認可医は評判が第一なんだ」
 
N/E:「ふん。そんな甲斐性は持ち合わせちゃいないさ。端からな。そういえば、忘れていたが」
     カルテをぴっと投げつける「考えてみれば俺はドイツ語が書けなかったんだ 

ムシロ: (無言で受け取り)「これには、まだ書き込むわけにはいかないな」 
ムシロ:「ターシャの遺体と、例の生物はイワサキが回収して行った」

N/E:「・・・・・・どんな男だった?」 

ムシロ:「この界隈には相応しくない、紳士然とした男だ。
     ヘタに揉めて折角拾った命を捨てさせるわけにはいかなかったから、取引には応じた。
     ──君には納得の行かない結末だろうか?」 

N/E:「ふっ。どうやら3度目があったらしいな・・・・・・全く運命という奴は・・・・・・」
     苦笑しながら肩をすくめ、ゆっくりと起き上がる 

ムシロ:「……まだ、ターシャの治療費を支払わせてはいない。あのイキモノは、凶器に過ぎないわけだからな」
ムシロ:「──アレを回収できた以上、ブラックハウンドを動員することはもうないだろう。
     カモフラージュに君を追う必要もなくなったはずだ(アンタッチャブルの演出)」
ムシロ:「それでも、まだアルバイトを続けるつもりか?」 
ムシロ:「治療費云々については、私の命でトントンだからな。
     傷が治ったらフィクサーを紹介してもいい。ここにとどまる理由はもう無い訳だ」

N/E:「高い喧嘩になるぜ。今のうちに諦めな」 
N/E:「・・・・・・・・・・・・どうやらあの紳士という男が俺の過去の接点らしくてな。
     俺は馬鹿な戦いを続けなきゃならないらしい。無論出て行くさ。
     これ以上お前に借りを作るのは怖いんでな」
 
ムシロ:「……借り、か。私は正当な代価を回収できる限り、フェアな男のつもりだ。怪我をしたらいつでも来い」 
ムシロ:「それに、お前もあの男を追うというのであれば、関わることもあるかもしれないな。 
     ──馬鹿仲間というわけだ。ナンセンスな話だ」
 
N/E:「まったく。無茶な男だよお前は。参った俺の負けだ。
     この仕事が終わるまではお前のボディガードだ。
     全く俺は記憶を失う前から馬鹿だったのか? ドクターブラックジャック」 

N/Eが折れると、ムシロは目をきょとんとさせる。すぐにいつもの無愛想に戻るが。

ムシロ:「ボディーガード代は、今後の治療費と当面の衣食住で勘弁してもらおうか。
     君は馬鹿だが、愛せる馬鹿だ。愛せない馬鹿を狙うのに、これほどいいバディもあるまい」 

N/E:「はん。お前は初めて出会ったときからその減らず口が気に入らなかったよ、ムシロ」
     苦笑しながらくるりと布団に潜り込む 

ムシロ:「そう、か。減らず口か。そんなつもりはないのだがね──」

どこか機嫌よさそうに医者は病室を後にし、
そのままカメラがN/Eの後姿を映して暗転する。