『LastScore』終了〜。

 この度めげさんの初シナリオ『LastScore』が、無事(?)EDを迎えました。参加者の皆様、お疲れ様&有難う御座います!! 当日になって敵データが未完成だったり、アクト中に設定の矛盾に気づいてしまったり(リサーチされなかった情報項目の内容なので、PLの想像によって補完されました。マジあせった〜)、描写が長すぎて1シーンに30分〜1時間も使ってしまったり、オフの時に忘れ物をして朋昌さん宅で二人1PCなんて事態に陥ったり……一言で表すならばgdgdでした_| ̄|((((○ でも皆さんが熱心に動き回ってくれたので、RLもやる気が一杯でましたよ。次回も同じくらい皆が煮え煮えしてくれて、その上で今回の反省を活かせるアクトにできればな〜と思います。まずは情報項目を徹底的に見直して、アクトの流れをしっかりイメージングすることにします。
 何度も中断&媒体を切り替えたせいでログを取り逃がしているため、とりあえずここにシナリオの紹介も兼ねてネタバレを載せさせていただきます(皆が頑張ってリサーチしてくれたから、今明かされる真実!って事は残ってないと思うけど……^^;)


 主要ゲストはジャズバンド“カルテット”のリーダー牧原静一と、その双子の弟・牧原慎二。事の始まりは数十年前、まだ二人が若者だった頃。共にサックス奏者としての道を歩んでいた兄弟ですが、兄の静一がひょんなことからもめごとに巻き込まれ、殺人を犯してしまいます。正当防衛ではあったものの、明るみに出ればその将来は閉ざされてしまう……兄の才能を惜しんだ慎二は罪科を肩代わりする道を選びました。慎二は犯人を装って逃亡し、捕まって捜査の手が兄に追い及ぶのを防ぐため、その行方をくらまします。その後、N◎VAに残った静一は弟との約束を果たすためサックス奏者として大成し、“カルテット”を結成しました。一方慎二は北米に渡り、寄る辺もないままマフィアの一員へと身を落としていくのでした。
 時は現在に戻ります。長年の活動で多くのファンを獲得してきたカルテット、その解散でN◎VAのメディアは賑わっていました。過去の事件が明るみに出るのを避けるため、メディアに依らない堅実なライブ&出版活動を行っていた静一ですが、最後の演奏会に限り取材や撮影を全面的に許可すると発表したのです。寄る年波には勝てず決意した引退──もし慎二がN◎VAに戻っているのなら、最後に自分の演奏を聞いて欲しい──そんな微かな希望を託した行動でした。
 汐見 楓(カブキ)は静一含むカルテットメンバーと懇意にしている少女で、その日はメンバーの皆と解散演奏会の打ち合わせに同席していました。しかし静一は楓の目の前で何者かに狙撃され、意識不明の危篤状態に陥ってしまいます。集中治療室の前で落ち込むメンバーと楓は、中で眠る静一が聞きなれぬメロディを口ずさむのを耳にします。しかしその曲は途中で途切れてしまい、最後まで聴くことはできないのでした。メンバーの話によると、静一は最後のライブで発表するための新曲を用意していたらしく、歌っているのはその曲ではないかと楓に告げます。最後のライブに間に合わせるため、そして危篤状態にありながらメロディを紡ぐ静一のため、楓はその曲──『LastScore』を完成させることを決意するのでした。
 静一が倒れた後、カルテットは再び取材陣に対して口を噤みました。これに驚いたのは、彼らのラストライブを映像化しようとしていた映画監督・九龍 大公(トーキー)です。どうやら何かきな臭い事件がおきたらしく、取材が出来ないどころか演奏会すら白紙になりそうな雰囲気……事態を重く見た九龍は、カルテットと懇意にしている楓にコンタクトを取る事にしました。
 メディアが揺れている頃、妹尾 文吉(レッガー)が経営するアサクサのお好み焼き屋『文太』では、いつもどおり閑古鳥が鳴いていました。そこへやってきた一人の客、いかにも浮浪者といった身なりの爺さん『シンちゃん』。シンちゃんは長いことN◎VAを離れており、最近帰ってきて昔を懐かしんでいたところだと文吉に語りました。文吉が無一文のシンちゃんにお好み焼きをふるまうと、シンちゃんはお礼代わりにと言って、サックスを取り出しその演奏を披露しました。文吉とシンちゃんはすっかり意気投合し、夜が明けるまで話し通して別れました。その数日後、文吉は屋台に放置されたサックスと書置きを発見します。書置きにはサックスを譲るとだけ書かれており、所々に血が付着していました。悪い予感を覚えた文吉は、人の良い浮浪者を探して、ストリートに繰り出すのでした。
 そんなアサクサ界隈に、捜査を行うBH隊員の姿がありました。彼らの任務は、機動捜査課にリークされた「アサクサにマーダー・インクの重要な情報を握った構成員が潜伏している」という情報の真偽を確かめる事でした。情報自体に信憑性に疑問はあったものの、冴子は新人警官の初任務には丁度良いと判断し、大友 直哉(イヌ)に新人ラッシュのおもりをまかせてアサクサに派遣したのでした。
 それぞれの目的でリサーチを開始する4人(+ラッシュ)。カルテットの演奏会を成功させたい九龍は楓に接触を取り、静一の過去を知りたい楓は九龍に調査を頼みます。大友はリークされた構成員がホームレスに扮している事をつきとめ、浮浪者達に聞き込みを開始、そこで同じく聞き込みをしていた文吉(コネ有)と出会い、互いの目的を知ります。それぞれがリサーチを進めていくうちに捜査線に浮上する、静一の双子の弟・慎二。大友の追うカーライルシンジケートの構成員。このふたつが妹尾の探すシンちゃんである事が判明します。慎二は既に組織を脱走しており、追っ手がかかっていました。その身を案じた4人は急いで慎二の居所を突き止めようとしますが、そこで何者かの手によって静一の容態と入院する病院が報道(《暴露》によるもの)されてしまいます。静一の状況を知れば慎二は病院へ向かうに違いない、そしてそれこそが《暴露》した者──追っ手の目的である──そう4人は判断し、ただちに静一の元へ向かいました。
 病院に到着すると、ロビーで項垂れるシンちゃんを見つけることができました。4人の推理通りシンちゃんは慎二であり、ぽつりぽつりと真実を語ります。北米に渡った後、マフィアに身を落とした慎二は、血と硝煙にまみれた生活を送ってきました。マーダー・インクの要員としてN◎VAに戻ってきた頃には音楽も兄も遠い過去の事となっていましたが、カルテットの活躍を耳にすることでかつての自分を思い出してしまいます。兄とN◎VAを失うような計画に荷担する事が出来なくなった慎二は脱走し、追われる身となったのです。
 守りたかったはずの兄が自分のせいで狙撃されたと知った慎二は酷く悩んでおり、生き長らえている事を後悔していました。「多くを犠牲にしたこの手でメロディを紡ぐ事は、もう出来ない」「今更兄に会わす顔もない」──そんな慎二を、文吉と楓が励まします。静一が慎二の作った曲『LastScore』を求めている事。慎二と同じく脛に傷を持つ文吉でも、慎二の心を動かすお好み焼きを作れた事。それを告げられた慎二は兄のために再びサックスを手にとる決意をします。
 そんな彼らの前に、とうとうカーライルの追っ手が姿をあらわします。一人は静一の周囲をかぎまわっていた女トーキー・エリン。そしてもう一人は、大友と共にリサーチに同行していたラッシュでした。慎二の行方を掴みあぐねていた二人は、界隈に詳しい者たちに捜査させることでその行方を突き止めようとしたのです。慎二と静一の関係を掴んだ二人は、慎二をおびき出し情報を握った4人を消すために、静一の情報を流したのでした。目的を達した二人は問答無用で襲い掛かります。
 どうにか二人の追っ手を撃退し、一行はカルテットのメンバーを伴って静一の病室へ向かいます。既に病院は九龍が買収しており、特別な計らいで集中治療室での演奏を許可してもらいました。横たわる静一を前に、慎二と楓がアンサンブルを響かせます。元々『LastScore』は、二人で演奏するために作られた曲なのでした。二人の作り出す旋律の中で、なんと、静一が意識を取り戻します。駆け寄るカルテットのメンバー、慎二。それを見守る楓、文吉、九龍、大友の4人。奇跡の一夜がすぎてゆくのでした。

 エンディングへ続く)